資産配分(アセットアロケーション)の決め方|家計とリスク許容度から考える5ステップ

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ファイナンシャルプランニング
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某大学の建築学部建築学科で住宅建築を専攻し卒業。お金の知識不足を感じたことをきっかけに、家計管理と資産運用を学び始めました。保有資格は2級ファイナンシャル・プランニング技能士。ぴーすけブログでは、生活を優先しながら無理なく資産形成を続けるための考え方を、家計と投資の分け方、生活防衛資金、NISA、投資ルール、リスク許容度などを中心に整理して発信しています。

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投資を始めると、「株式は何%にすればいい?」「債券や現金はどのくらい残す?」「NISAなら株式中心でいい?」と資産配分で迷いやすくなります。

ここで先に決めたいのは、誰かのおすすめ比率ではありません。生活に必要なお金を投資から分けたうえで、どの程度の値下がりなら家計と気持ちの両方で受け止められるかを確認し、その範囲で資産配分を考えることが基本です。

年齢や平均的な保有比率だけで「株式60%」などと決めても、収入、生活費、近い将来の支出、家族構成、投資期間が違えば同じ配分が合うとは限りません。

この記事では、資産配分(アセットアロケーション)の意味を整理したうえで、家計から投資可能資金を切り分け、リスク許容度を金額で確認し、現金・株式・債券などの役割を決めるまでを5ステップで解説します。

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資産配分(アセットアロケーション)とは

資産配分とは、運用するお金を株式、債券、現金・預金、REITなど、性質の異なる資産へどのような割合で配分するかという考え方です。英語ではアセットアロケーション(Asset Allocation)と呼ばれます。

「ポートフォリオ」という言葉も似ていますが、資産配分が「株式何%、債券何%」という大きな配分を指すのに対し、ポートフォリオは実際にどの商品・銘柄をどの程度保有しているかまで含めて使われることがあります。

なお、投資信託はそれ自体が一つの資産クラスとは限りません。株式だけに投資する投資信託もあれば、株式と債券を組み合わせたものもあります。資産配分を確認するときは、商品名だけでなく「その商品の中で何に投資しているか」を見る必要があります。

金融庁も、資産形成では家計管理とライフプランニングを踏まえたうえで、預貯金と投資を目的に応じて使い分け、長期・積立・分散を考えることを案内しています。また、金融商品には安全性・収益性・流動性のすべてが高い万能な商品はないため、目的に応じた使い分けが必要です。

参考:金融庁「資産形成の基本」

資産配分を考える前に「家計のお金」と「投資資金」を分ける

資産配分というと、いきなり「株式と債券を何対何にするか」を考えがちです。しかし、ぴーすけブログではその前に、家計のお金を役割ごとに分けることを優先します。

  • 毎月の生活に使うお金
  • 急な支出や収入減に備える生活防衛資金
  • 近い将来に使う予定のお金
  • 長期で運用できる投資資金

このうち、最初の3つまで株式や投資信託へ回してしまうと、相場が下がった時期に生活上の都合で売却する可能性が高まります。

詳しい分け方は、「家計と投資を分けて管理する理由」で整理しています。

ここで重要なのは、家計を守るための現金と、投資ポートフォリオの中で意図的に持つ現金を同じものとして扱わないことです。生活防衛資金は投資機会のために残しているお金ではありません。

資産配分を決める5ステップ

ステップ1:投資に使ってよい金額を決める

まず、金融資産全体から生活費、生活防衛資金、予定支出を切り分けます。資産配分を考える対象は、そのあとに残る長期投資用のお金です。

たとえば金融資産が500万円あり、生活用の現金50万円、生活防衛資金100万円、1〜2年以内に使う予定のお金50万円を別に確保するとします。この例では、長期投資用として検討できる金額は300万円です。

これは説明のための仮定であり、「500万円なら300万円投資すべき」という意味ではありません。必要な現金額は、毎月の生活費、収入の安定性、家族構成、今後の支出予定などによって変わります。

ステップ2:投資の目的と使う時期を決める

同じ300万円でも、5年後に使う可能性が高いお金と、20年以上先まで使う予定がないお金では、受け入れられる値動きが違います。

資産配分を考える前に、「何のためのお金か」「いつ頃使う予定か」を言葉にしておきます。目的が曖昧なままでは、値上がりしている資産へ後から比率を寄せたり、下落時に怖くなって方針を変えたりしやすくなります。

投資の目的や見直し条件を文章にしておく方法は、「投資ルールを文章にしておくメリット」も参考になります。

ステップ3:リスク許容度を「下落率」ではなく「損失額」で確認する

資産配分を決めるときに、「株式は長期なら多めでよい」「若いほど株式比率を高める」といった目安だけで決めるのは避けたいところです。

同じ30%の下落でも、投資額100万円なら30万円、500万円なら150万円です。割合だけでなく、実際に何円減る可能性があるのかに置き換えた方が、自分の家計への影響を考えやすくなります。

たとえば長期投資用の300万円について、一時的に60万円程度の評価損でも生活資金には影響せず、投資方針も維持できそうだと考えるなら、それを一つの検討材料にできます。ただし、実際の市場下落がその範囲に収まる保証はありません。

リスク許容度の考え方は、「投資のリスク許容度はどう決める?」で、家計・心理面・使う時期の3方向から詳しく整理しています。

ステップ4:各資産の「役割」を決めてから割合を考える

配分を決めるときは、どの資産が一番上がりそうかを予想するより、「この資産を何のために持つのか」を先に決めると整理しやすくなります。

  • 現金・預金:値動きを避け、すぐ使える状態を保つ役割。ただし、長期では物価上昇によって実質的な購買力が低下する可能性があります。
  • 株式:企業の成長などを通じた収益を期待できる一方、価格変動が大きく、元本割れの可能性があります。
  • 債券:株式とは異なる値動きをする資産として組み合わせられますが、金利変動、信用、為替などのリスクがあり、元本が必ず守られるわけではありません。
  • REITなど:株式・債券とは異なる資産への分散候補になりますが、価格変動や不動産市場、金利などの影響を受けます。

金融庁は、1つの資産だけに集中するより、国内・海外、株式・債券・不動産など値動きの異なる複数の資産へ分散することで、価格変動をある程度抑えながら安定的な運用を目指す考え方を紹介しています。

また、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の教材でも、分散には「資産の分散」「地域の分散」「時間の分散」があると整理されています。

参考:J-FLEC「分散投資」

ステップ5:最初はシンプルな配分にして見直しルールを決める

資産配分を細かく分けすぎると、管理や見直しが複雑になります。最初は、自分が役割を説明できる範囲の資産だけで構成する方が管理しやすくなります。

たとえば、先ほどの長期投資用300万円について、説明用の例として次のように置くことができます。

  • 株式:180万円(投資資金の60%)
  • 債券:90万円(30%)
  • 投資用の現金:30万円(10%)

これはおすすめ比率ではなく、考え方を示すための仮定です。株式60%が合うかどうかは、投資期間、家計、収入、心理的な負担などによって異なります。

また、この30万円の「投資用の現金」は、生活防衛資金100万円とは別の役割です。相場が下がったからといって生活防衛資金まで追加投資へ回さないよう、家計側の現金と投資側の現金を分けて管理します。

買付余力を残す考え方は、「買付余力を残しておくメリット」で詳しく扱っています。

「家計全体の配分」と「投資資金内の配分」を混ぜない

資産配分を比較するときに迷いやすいのが、どこまでを分母にしているかです。

先ほどの例では、金融資産500万円のうち200万円を生活用・生活防衛・予定支出として確保し、300万円だけを長期投資用にしています。

投資資金300万円の中では株式60%でも、家計全体500万円に対する株式の割合は180万円÷500万円=36%です。

「株式60%」という数字だけを見るとリスクが高く見える場合でも、家計全体では十分な現金を別に確保している可能性があります。逆に、投資口座の株式比率が低くても、生活資金まで投資へ回していれば家計として安全とは言えません。

そのため、他人のポートフォリオを参考にするときは、割合だけでなく「生活資金を含むのか」「投資に使わない現金を別に持っているのか」まで確認しないと、自分の家計と単純比較できません。

NISAを使うかどうかと資産配分は別に考える

NISAは、制度の要件を満たす投資による利益が非課税になる仕組みですが、どの程度のリスクを取るべきかを決めてくれる制度ではありません。

「NISA枠が空いているから投資額を増やす」「非課税だから株式比率を上げる」のではなく、先に家計と資産配分を決め、その範囲でNISAをどう活用するか考える順番の方が整理しやすくなります。

NISAと生活防衛資金の関係は、「NISAを続けるために生活防衛資金を残す理由」も参考にしてください。

資産配分で避けたい5つの決め方

年齢だけで株式比率を決める

同じ年齢でも、収入、家族構成、住宅費、教育費、資産額、投資経験は違います。年齢は投資期間を考える材料の一つにはなりますが、それだけで配分を決めると家計とのズレが起きることがあります。

平均的な資産配分をそのまま真似する

平均値は「他の人がどう保有しているか」を見る参考にはなりますが、自分に適した配分を示すものではありません。他人の平均より、自分のお金をいつ使うか、いくらの損失なら家計に影響しないかを優先します。

値上がりしている資産へ比率を寄せる

最近よく上がった資産を見て配分を変えると、当初の目的ではなく相場の動きがルールになりやすくなります。資産配分は「次に何が上がるか」を当てるためではなく、値動きがあっても続けられる構成を考えるために使います。

商品数を増やせば分散になると考える

投資信託を5本持っていても、すべてが似た株価指数や同じ地域へ投資していれば、実質的な投資先は重複していることがあります。商品数ではなく、中身の資産・地域・通貨などを確認します。

相場が動くたびに資産配分を変える

市場価格が変われば、当初決めた割合からずれることがあります。ただし、毎日の値動きに合わせて頻繁に売買すると、長期方針より短期の感情が優先されやすくなります。

毎月の総資産確認では割合の変化を記録し、配分そのものを見直すのは家計や投資目的が変わったとき、または事前に決めた確認時期に行う、と分けておくと管理しやすくなります。毎月の確認方法は「毎月の総資産チェックを続けるメリットと確認ポイント」で整理しています。

資産配分を作ったあとに確認したいこと

  • 生活防衛資金や予定支出まで投資に混ざっていないか
  • 投資の目的と使う時期を説明できるか
  • 大きく下落したときの損失額を円で把握しているか
  • 各資産を持つ役割を説明できるか
  • 商品数ではなく実際の投資先が分散されているか
  • いつ資産配分を確認・見直すか決めているか

この6つを説明できれば、「なんとなく株式○%」よりも家計とつながった資産配分になります。

まとめ:資産配分は「おすすめ比率」ではなく家計から逆算する

資産配分を考えるときは、最初に株式・債券の割合を決める必要はありません。

まず生活費、生活防衛資金、近い将来の予定支出を分け、長期で運用できるお金を決めます。次に、投資目的と期間を整理し、値下がりしたときに何円減るのかを確認します。そのうえで、現金・株式・債券などを「何のために持つか」から配分していく順番です。

この方法なら、年齢や他人の平均比率をそのまま当てはめるより、自分の家計と生活に合わせて資産配分を説明しやすくなります。

資産配分は一度決めれば永久に固定するものでもありません。収入、生活費、家族構成、投資目的、使う時期が変われば、理由を明確にしたうえで見直します。反対に、相場が上がった・下がったという理由だけでその都度方針を変えないために、最初の配分と見直し条件を記録しておくことが役立ちます。

免責事項

この記事は、資産配分、分散投資、家計管理に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品、資産配分、投資行動を推奨するものではありません。掲載情報は正確性・最新性に配慮していますが、完全性を保証するものではありません。株式、債券、投資信託、REIT等の金融商品には元本割れを含む損失の可能性があり、実際の値動きは想定を超える場合があります。適切な資産配分は、収入、支出、資産状況、目的、運用期間、リスク許容度等によって異なります。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて金融機関、専門家、公的機関、各商品の最新公式情報をご確認ください。

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